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LiDAR(ライダー)とは?

2023年 2月 16日
長文
672
概要

LiDAR(ライダー)とは、レーザー光を使用してターゲットの表面までの距離を測定するマッピング技術のことです。簡潔に言えば、それは部屋から広範囲の地形まで、あらゆるものの3Dマップを驚異的な精度で生成することが可能です。本記事では、LiDARソリューションの機能、さまざまなLiDARの種類、そしてこのテクノロジーの使用方法について説明していきます。

LiDARの種類
空中、モバイル、固定型
ターゲットのアプリケーション
深さと距離を計算し、エンジニアリングや建設、都市計画などに使用するマップをキャプチャされたデータから生成します。
距離
大規模から特大規模の距離と空間

LiDAR

LiDARスキャンの仕組みについて言及する前に、そもそもLiDAR という名前の由来をまずご存じでしょうか?radar(レーダー)が「radiodetectionandranging(電波探知機)」の頭字語であるように、そしてまたsonar(ソナー)が「soundnavigationandranging(水中音波深知器)」の頭字語であるように、LiDARもまた、複数の単語の頭文字を繋げて作られた名前です。

Lightdetectionandranging(光検出と測距)」 または「laserimaging,detection,andranging(レーザー画像検出と測距)」のどちらの頭文字をとってもLiDARとなります。

それがキャプチャできるものは様々です。標高や穴のある場所をはじめ、草木や都市全体まで、コンピューターの画面上に3Dマップとしてそれらすべてを表示したり、その小さな一部分にズームインをしたり、それらをパン操作することが可能です。これらはすべて、LiDARのおかげなのです。

LiDAR技術の機能をより具体的に想像していただくために例を挙げます。例えば、LiDARデータとフルカラーの写真、そして衛星写真から作成したニューヨーク市の3Dマップなどがそうです。この地図や、いつもみなさんがご覧になっている多くの他の都市や町の地図は、Googleマップで簡単にアクセスすることができます。Googleマップでは、超高層ビルや広場、記念碑などの目印となるものを(下から以外の)どの方向からでも探索することができ、そこには驚異的な量の詳細が掲載されます。もちろん、いつでもシンプルな2Dモードに戻ることもできます。しかし、2Dマップや写真では鮮明に見ることができない、大都市の空を舞う鳥の視野が得られるオプションがせっかくある中で、みなさんはそれでも敢えて2Dを選びますか?

LiDAR

見た目が素晴らしい画像を作成すること以外で、なにか実際にLiDARが重要な理由はありますか?

LiDAR技術は、エンジニアリングや建設、都市計画をはじめ、大~特大規模の表面積の形状・寸法に関する正確な情報が意思決定に大きく関わる分野において、絶大な可能性を開いてきました。例えば山岳地帯で道路を建設するとしたら、建設資材がどれほど必要になるのか、また建設にどれくらい時間がかかるのか、正確に把握したいはずです。その道路の長さは、接続するA地点とB地点の間の最短距離だけではありません。それを確定するには、その途中ですべての上り下りを考慮する必要があります。それでは巻尺とコンパスを持って森に向かいますか?行かないでしょうね。ここでの仕事に対する迅速かつ正確な解決策は、空中のLiDARシステムが妥当です。

キーポイント

LiDAR技術は、エンジニアリングや建設、都市計画をはじめ、大~特大規模の表面積の形状・寸法に関する正確な情報が意思決定に大きく関わる分野において、新しい可能性を開きます。

LiDARの仕組みは?

LiDARセンサーは、レーザー光を放出し、周囲をスキャンします。光が最も近辺にある表面に当たると、その光は跳ね返ってLiDARデバイスに戻り、そこでインバウンド信号を受信します。使用される技術に応じて、LiDARはレーザービームが戻ってくるのにかかった時間を記録するか、もしくはインバウンド信号の位相シフトを分析することで、最も近辺にある表面までの距離を計算します。

キーポイント

LiDARはレーザービームが戻ってくるのにかかった時間を記録するか、もしくはインバウンド信号の位相シフトを分析することで、最も近辺にある表面までの距離を計算します。

センサーは、送信機と受信機の2つの主要要素で構成されています。送信機は、スキャンされている表面の方向に数十万パルスのレーザー光を放出します。ひとつのパルスが表面に到達すると、それは跳ね返るか、後方散乱し、その信号が受信機によって受信されます。タイミングデバイスは、パルスがセンサーからターゲットの表面まで移動し戻ってくるのにかかる時間を計算します。より正確に言うと、それは戻りの遅れがどれほどだったかを計算します。

その遅れが長いほど、センサーは表面から離れているということになります。この技術は、飛行時間型(TOF)レーザースキャンと呼ばれます。モバイルまたは空中のLiDARシステムには、IMU (加速度計、ジャイロスコープやその他のセンサーで構成される慣性測定ユニット) と GPSトラッカーも搭載されており、パルスレーザーが送信される度にトランシーバーのXYZ座標を取得します。 .このすべてのデータはコンピューターによって分析され、その出力は点群データ形式で表示される表面の3Dマップです。

飛行時間型に加え、位相シフト技術もあります。位相シフト法をもとにしたスキャンでは、スキャナから放出される一定のレーザー エネルギーのビームを利用します。それからスキャナは戻ってくるレーザーエネルギーの位相シフトを測定し、距離を計算します。

LiDAR

重要な用語

飛行時間型(TOF:一度のパルスが2点間を移動するのにかかる時間を使用し、2点間の距離を計算します。

位相シフト:同じ周波数または時間で放出される2つの波形の間に存在する遅延を計算します。

飛行時間型スキャナと位相シフト法をもとにしたスキャナの間にある主なトレードオフの1つは、取得速度とダイナミックレンジの関係です。飛行時間型デバイスは通常、毎秒数百から数千というポイントの割合でデータをキャプチャします。対照的に、位相シフト法をもとにしたデバイスは、毎秒数十万ポイントをキャプチャします。位相シフト法をもとにしたデバイスはより高速なので、多くのアプリケーションでこれが選択するツールとなります。

一方で、飛行時間型デバイスはダイナミックレンジがはるかに長く、それは1メートルから1キロメートルまでの距離から有用なデータを提供することができます。飛行時間型デバイスは、測定範囲が長い場合に明らかに好まれます。

LiDARスキャナの精度は?

スキャナの種類と環境条件に応じて、LiDARシステムの精度はサブミリメートルから数十~数百ミリの範囲になります。LiDARスキャナによって収集される3Dデータの精度は、様々な要因によって影響されます。

他のスキャナと同様に、LiDARは工場でキャリブレーションされるデバイスです。LiDARスキャナは顧客のもとへ行く前に、そのデバイスから既知の距離にある数百のターゲットまでの距離を、既知の反射率で測定するよう「トレーニング」されます。その結果、誤差関数が作成され、それはスキャナのソフトウェアに保存されます。ただし、工場でのキャリブレーションを行う際に、特定のプロジェクトの環境でこのスキャナがスキャンし得る全てのタイプの表面を扱うことは不可能であり、表面までの距離は、既知の反射率を持つ類似の表面の値に基づいて計算される場合があります。

考慮すべきもう1つの要因は、レンジノイズです。レンジノイズは、個々の測定値とスキャン対象のオブジェクトまでの平均距離との差により定義されます。レンジノイズは、主にスキャン対象のオブジェクトまでの距離と、表面の反射特性によって影響を受けます。

LiDARスキャナの機械部品もエラー発生の要因になることがあり、特に時間の経過とともにその可能性があります。そのため、メーカーは数年に1度スキャナをキャリブレーションし直すことを推奨しています。

最後に、風速や日射量、気温、そして湿度などの環境条件がパルスレーザーの後方散乱を歪め、収集されるデータの品質に影響を与える可能性があります。

もちろん、メーカーはLiDARスキャナの精度に影響を与える要因がなにかを十分に認識しており、これらの最高のデバイスが比類のないレベルの精度を提供できるようにしています。クラス最高の角度精度を誇るLiDARスキャナである、Artec Rayについて詳しくお読みください。

LiDARの種類

モバイルと空中の2種類のLiDARについては既に説明いたしました。これら2つに固定型を追加すると、LiDARの主要な種類が3つになります。

固定型LiDAR スキャナ

固定型LiDARスキャナがこのテクノロジーの中核ですから、まず固定型を見ていきましょう。他のすべてのタイプのLiDARは、この固定型を基盤としています。通常、固定型LiDARスキャナは、モバイルや空中システムと比較して、より狭い領域を扱います。しかし、固定型は最高の精度を誇ります。

固定型LiDARスキャナは、リバースエンジニアリングや品質検査用に広く使用されています。LiDARを使用すると、あらゆる種類の部屋や建物、乗り物 (陸、空、水、または宇宙の空間を移動するもの) をスキャンできます。

ここで想像していただきたいのは、数十平方メートルに及ぶ配管システムを改良する必要がある場合や、建物の修理を計画していたり、飛行機の本体のリバースエンジニアリングを検討している場合です。これらすべての場合において、適切な表面積の正確な寸法が必要になるので、固定型LiDARスキャナの出番となります。たとえば、表面の一部または全体が地面から高すぎて、そのためだけに足場をきちんと立てない限り、ハンドヘルドスキャナでは到達できない場合などに固定型は特に重宝されます。

LiDAR

固定型LiDARの3DスキャナであるArtec Rayによって作成された配管の3Dスキャン。

それではここでまず一歩戻って、上のスクリーンショットに示されている結果を得る方法を考えてみましょう。言い換えると、LiDARスキャナでは、一体どのようにスキャンするのでしょうか?実際には、ユーザーから多くを求めません。スキャナは三脚に取り付けられ、スキャン対象のオブジェクトまたは景色の前に配置されます。たったワンクリックで、Artec Rayはスキャンをする領域のプレビューの作成を開始します。このプレビューから、もしこれが正確にキャプチャする必要がある領域で、スキャナを再配置する必要がないと判断した場合には、Rayはオブジェクトまたは景色からすべてのデータを完全にキャプチャします。

処理段階でより高速な位置合わせを確実にしておきたい場合や、3Dスキャンデータの精度を高めたい場合は、そのエリア全体にターゲットを配置することをお勧めします。スキャナは、ほぼすべての環境でこれらのターゲットを簡単に検出することができます。スキャンが終了し、すべてのデータが収集されると、スキャナのソフトウェアは、ターゲットの使用によってすべてのスキャンを最速かつ最も効率的な方法で位置合わせをします。

LiDAR

オブジェクトとその周囲に配置されたターゲットの例

Artec Rayなどの一部のLiDAR型スキャナは、非常に高精度のレベルを提供する際に、スキャンをレジストレーションして位置合わせするためにターゲットが必ず必要になるわけではありません。Rayは、今日の市場で最も高度なメトロロジーグレードのデバイスの 1つです。ターゲットの表面から最大110m離れた場所で作業ができるRay は、自動車のボディから大型航空機や建物まで、さまざまなオブジェクトをスキャンすることができます。後者のような大規模なプロジェクトでは、もちろん大量のノイズは望ましくありませんし、スキャンのずれに対処したり、初回のスキャンできちんとキャプチャされなかった領域のために再度同じ場所にスキャナを持っていくことも回避したいはずです。

しかしArtec Rayをご使用になれば、心配はご無用です。このスキャナは、スキャン対象のオブジェクトから最大10~15メートル離れた場所からスキャンする際にサブミリメートル単位の距離精度と、クラス最高の角度精度を誇り、広い表面積で最も正確な結果を得ることができます。また、スキャン対象となるもののプレビューを表示することで、スキャナの現在の位置が特定の表面領域をキャプチャするのに最適かどうか、もしくはデバイスの再配置を検討する必要があるかどうかを確認することができます。

LiDAR

Artec Rayによるワークフローのお決まりの手順: 機械室で3Dデータの収集。データはこのスキャナに接続されたノートパソコンだけでなく、ワイヤレスネットワークを介してiPadやiPhoneにストリーミングさせることもできます。

Rayが提供するスキャンデータの精度レベルにより、工業製品をその3Dモデルに基づいて自由にリバースエンジニアリングすることができます。品質管理のために、大型機械部品の3DモデルをそのCADモデルと比較ができます。遺産保存のために、彫像を3Dでデジタル化できます。世界中にある美術館のオンラインギャラリーの作成ができます。このように、アプリケーションの範囲は非常に広範です。

空中LiDARスキャナによるマッピング

LiDAR センサーを搭載して空中に移動すると、アプリケーションの範囲はさらに広がります。これは、エンジニアが新しい道路を建設したり、山の尾根にパイプを敷設したり、新しいゴルフ コースを設計する前に行うことです。飛行機やヘリコプターに搭載されたLiDARスキャナは、数百平方キロメートルにわたる場所から3Dデータを収集することが可能です。確かに、非常に広い地形の領域を扱っている間には、空中LiDAR システムはサブミリメートル単位の精度を提供することはできません。その際、公差は数センチメートルに達する可能性がありますが、それでもほとんどの大規模なプロジェクトでは大体これで十分です。

モバイルLiDARのアプリケーション

精度とスキャンされた領域のサイズの間にある黄金比は、モバイル LiDARセンサーに組み込まれています。これはさらにエキサイティングな見通しを開き、それはエンジニアだけにとっての話ではありません。オートノマス(自律移動)の車または自動運転車に搭載された LiDARシステムは、周囲を継続的にスキャンし、衝突を回避する目的で、最も近い車両や歩行者、そしてあらゆる種類の障害物までの距離をリアルタイムで計算します。

LiDAR

リモートセンシングを用いて安全運転を確実に

iPad ProおよびiPhone ProのLiDARスキャナ

LiDARセンサーを用いた消費者レベルでのアプリケーションは、自動運転車に限定されるものではありません。AppleのiPad ProおよびiPhone Pro(バージョン12以降) のユーザーは、LiDARテクノロジーのメリットを享受できます。最大5メートル離れたオブジェクトのスキャンができるこれらのガジェットは、IKEA PlaceやHot Lavaなどのアプリと統合して、ユーザーの部屋にARを提供し、その部屋の周りをゲーム挑戦ができる空間に変えてくれます。

AppleのLiDARは、製造業が求める精度と解像度には達していませんが、ARを使用したショッピングとゲームは、このソリューションの最も有望なアプリケーションと見なされています。iPadとiPhoneにおけるLiDARの導入は、ターゲットを絞ったアプリケーションの開発に拍車をかけ、3Dスキャン技術のユーザー数を劇的に拡大することになりました。以前までそれは計測技術者や測量士のみが使用する領域でしたが、今ではApple関連ガジェットの常連ユーザーに受け入れられるようになりました。

結論

そんなわけで、お分かりいただけましたでしょうか。LiDARに関しては、活用できることが非常に沢山あり、探索できるアプリケーションも非常に多くあります。このテクノロジーは、私たちの周りの都市や私たちが見る細かい詳細を含む画像、そして私たちが運転する道路を構築するのに役立ちます。みなさんが次回、都市を探索する際には、この技術を思い出してみてください。それはデジタルで探索するにしても、実際に足を運んで探索するにしてもです。

この機会に是非LiDARテクノロジーについての知識を深め、Artec Rayがもたらす利益をご活用ください。

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