3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

映画産業の特撮効果

概要:映画で危険なスタントシーンで使用するために、視覚効果制作スタジオがメイン俳優の少年のリアルな3Dデジタルダブル作成に取り組みました。

目標:プロフェッショナルハンディ型3Dカメラを使用して、まずこの少年俳優をわずか5分足らずでデジタルキャプチャ。その後の処理のためにTopogunにリアルな3Dモデルをエクスポートします。

利用ツール: Artec MH

特殊効果製作スタジオであるメインロード|ポストは、2006年に設立されました。同スタジオは、ウォンテッド、収容所惑星、提督の戦艦、ハイセキュリティ・バケーション等、有名な映画やドラマの視覚効果を手がけてきました。 特に最近では、ザニック・フェイジエフ監督の「オーガスト・エイト」を担当しました。 メインロード|ポストはこの映画の特殊効果のためにArtecの3Dスキャナーを使用しました。

「オーガスト・エイト」はロシアとグルジアの間で2008年に起こった武力紛争を描いたロシアの戦争映画です。シングルマザーは気が付くと戦争の渦中にいて、息子を助け出そうと奮闘します。その数日前、彼女は子供の父親である離婚した夫とその両親の元に息子を送り出していました。そこへ戦争が勃発したため、彼女は息子を助け出すために戦地に旅立つことを決心したのです。

戦争以外に、この映画にはもう1つのテーマがあります。 彼女の息子は想像上の友達である巨大ロボットを持っています。彼の想像の中で、彼と友人のロボットは悪者ロボットと戦っているのです。武力紛争が激化する中で、少年は全ての爆弾、殺戮、破壊活動が悪者ロボットの仕業だと考えます。

なぜArtecの3Dスキャナーを使うのか?

Artecの3Dスキャナーは危険なスタントに必要な少年の等身大3Dクローンを作るために使用されました。

メインロード|ポストのマイケル・リヨシンCTOは次のように語っています。 「極めて危険なスタントや危ないシーンを撮影するために少年のデジタルクローンを作る必要がありました。多くがワイドショットとして撮られ、ミディアムショットのものもあり、3Dモデルは非常に精巧である必要がありました。」 そのモデルを作るために、メインロード|ポストはArtec MH スキャナーを使用したのです。「もちろん、手を使ってモデルを製作することもできましたが、それには多くの時間がかかります。」リヨシン氏は続けて言います。「デジタルクローンは映画中で使用されます。映画は、少年と彼の友達であるロボットが一緒にいるという想像シーンから始まります。 これが、3Dモデルが力を発揮するところなんです。」

プロセス

少年の体と顔をキャプチャする様子を映した動画はこちらでご覧いただけます。 全身をスキャンするのに要した時間は約5分でした。

手錠、ブーツ、型パッド、ベルト等、少年の全てのコスチュームパーツもスキャンされました。 最後に、メインロード|ポストは少年役を務める子役の全身を3Dキャプチャしました。

このモデルを表面加工およびマップスベーキングを行うグラフィックデザインアプリケーションであるトポガンにエクスポートしました。

リヨシン氏のチームは、まず、モデルのトポロジー(ネットをモデルにかぶせる作業)を行い、全ての等値線が全身に沿って正しく配置されていることを確認しました。 「Artec 3Dモデルをベースとして使うことで、多くの時間を節約できました。 例えば、全身比率を再確認する必要もありませんでした」とリヨシン氏。

メインロード|ポストはArtec製品を愛用頂いていますが、さらに製品を改良していくために何が必要かを訊ねたところ、さらに精度が上がるといいという答えが返ってきました。 Artecはこれからも研究開発に力を入れ、次世代スキャナーの精度を改善していくために全力を尽くしていきます。

結果

「オーガスト・エイト」の多くのシーンはこの3Dの全身モデルを用いて撮影されました。マイケル・リヨシン氏は次のようにコメントしています。 「本物の役者とデジタルクローンの違いが見破られるようでは困ります。本物もデジタルも、できるだけ違いが出ないように見せる。僕たちの仕事の使命はそこに尽きるのです。 」

「オーガスト・エイト」は2012年2月に公開され、3月までに150万人以上の観客がこのクリエーター達の努力の結晶を楽しんだのです。

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