3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

石油及びガス精製所を稼働させ続けるためのArtec Leoを用いた配管修復用製品の個別製作

課題:できる限り早急な修復を実施する目的で、個別製作の修繕用ソリューションの設計、製作、設置を可能とするために高温で狭苦しい精製所の状況下で破損した複雑な配管及び器材を正確に計測すること。

ソリューション:Artec Leo、Artec Studio、Geomagic Design X、及びSOLIDWORKS

結果:スキャンデータはミリメートル単位以下の精度でキャプチャされるようになり、エンジニア間でクラウドによって共有され、修復の際に必要となる配管用のクランプの個別製作に利用されている。この迅速な新しいワークフローは手作業による計測の六倍の速さで運用され、施設を稼働状態に維持するため、コストのかかる予期せぬダウンタイムを最短に抑えることにつながる。

なぜ、Artec 3Dなのか:丈夫な上に極めてコンパクトなLeoは、狭い生産空間でのキャプチャに理想的な機器である。Artec Studioは処理過程を円滑なものとする上、技術者はArtec Cloudの利用によってパーツの設計、製作のために遠隔地の提携企業と即座にスキャンデータを共有できる。

Team Inc.

Artec Leoで複雑な配管のジオメトリをデジタル化するTeam有限会社所属の技術者

ほぼ気付かれない事実だが、我々の世界は必要不可欠な資源を工場や精製所から利用者へ運ぶ、何十億キロメートルもの長さの配管で覆われている。世間の注目を浴びるのは石油やガスのネットワークに支障が出る際のみであり、その操業者へ悪影響を及ぼす対象となることも多い。

資源の漏出は環境問題を引き起こし、顧客の信用に影響を与え、予期しないダウンタイムが必要となる場合もある。配管は日々、数億円規模の資源を運んでおり、事故は非常に高くつくこともあり、修復においては時間が最重要項目となる。

そのような災害を回避するために、配管操業者はメンテナンスのために配管の運用を二、三年ごとに中断する傾向にある。しかし、そのような検査の合間を縫って、配管は腐食や浸食、亀裂などの原因により損傷を受けがちになる。Team有限会社のような専門サービス供給企業が出番となるのは、このような場面である。

Team Inc.

Team有限会社が緊急を要する現場での修復のために3Dスキャンする配管の一例

Team社の検査、及び修復サービスにより、取引先には整合性の検証、先を見越したメンテナンスの施行、及び所有する資産を継続的に運用させるための修復の実施が可能となる。産業界の大部分が配管の計測を未だ手作業で行っている中、Team社は異なった手法を取っている。それは、Artec Leoを採用し、前例のない速さと精度で破損した部分の計測、及び修復を行うことである。

コストの嵩むエラーを削減

テキサス州ヒューストンを拠点とするTeam社は二十か国以上に営業所を構え、エネルギーから航空宇宙に至るまでの産業分野にサービスを提供しており、あらゆる意味においてグローバルなエンジニアリングソリューション供給企業となっている。

しかし、同社の操業中における修復サービスは、つい最近までキャリパーを基とした計測に未だ依存していた。同社の操業中サービスのVPであるAdam Thistlethwaiteによると、手作業による計測は時間を要する上に、高いリスクを伴っていた。管網は目視では判断しにくい複雑な角度を持っていることが多く、紙上に記述され写真により送付される寸法は間違った解釈に容易に繋がる。

修復用パーツは製作にもコストが嵩み、製造上でのミスは高くつくことになるが、更に重要なことには、問題が生じることで修復の予定にも影響が及ぶのである。このリスクこそが、Team社をワークフローのデジタル化に駆り立てたのだ。同社のエンジニアは当初、配管の計測に有線のターゲットを利用する3Dスキャナを試したが、ターゲット用ステッカーの設置及び撤去は精製所の環境では上手く機能しないことが判明し、場合によっては熱を持った煙霧が結果を歪めることもあった。

Team社が米国を拠点とするArtec社ゴールド認定パートナーであるGoEngineer社にArtec Leoを調達するよう連絡を取ったのは、この理由からである。同社の技術者はそれまで、常に手作業での計測を行っており、3Dスキャニングの利用経験は全く無かった。 しかし、当機器のワンクリックで稼働できる機能性なら、その操作法を素早く把握し、二、三時間の講習のみで現場での使用に取り掛かることも可能であった。

Team Inc.

Team社所属の技術者へリアルタイムでのフィードバックを提供するArtec Leo搭載ディスプレイ

丈夫で携帯性があり、正確で極めて使いやすいLeoは、そのまま同企業のワークフローに直接導入され、長い間の懸念を緩和させ、エラーの起こらない漏出時用クランプの個別製作を実現した。

「腐食した配菅も数本あり、九十度に曲がっているようだが実際には九十二度であった、というケースもあり得る」と、Thistlethwaiteは説明する。「クランプを無理矢理あてがおうとすれば配管を損傷し兼ねず、安全上の問題点が生じる。今では、『完璧な角度』ではないものがあった場合には、初回で上手く設置が完了するよう、その箇所を3Dスキャニングでキャプチャして設計に統合することができる

クラウド上でのパイプラインの設計

Team社は慎重にキャプチャする際にも、一平方メートル(十平方フィート)の配管を一時間以内にデジタル化できるようになった。これは、六時間かかるスケッチ過程に対して大きな時間の節約となるが、 企業に利益をもたらすのはこの点だけではない。

同企業の技術者はArtec Studio上でデータをキャプチャし、位置合わせすることから作業を始める。オートパイロット機能は担当者に代わって最適なアルゴリズムを選択する傍ら、位置合わせや座標合わせ、デシメーション過程を一度で行うようまとめることで、その工程を効率化する。後者によれば、メッシュのエクスポートの際にファイルサイズを低減させることでArtec Cloudへの共有が更に簡単となるため、Team社のワークフローでは特に必要不可欠な機能となっている。

「以前は、我々は寸法を記録し、そのページの写真を撮ってジオメトリをSOLIDWORKSで復元するエンジニアの下に送付していた。このような引継ぎは、エラーや低品質という代償の発生に繋がっていた」と、Thistlethwaiteは話す。「Artec Cloudの利用により、現地でデータをアップロードし、事務所にいる同僚のところへ直接共有することができるようになり、直ちに改修に取り掛かってもらうことができる」

キャプチャ済みのスキャンデータを修復、改良の上、SOLIDWORKSでのクランプの設計用のCADボディへと変換するには、本部のエンジニアはGeomagic Design Xを利用する。当ソフトウェアの高度なリバースエンジニアリングツールセットは、迅速に現存する製品設計を反復的に適用するには理想的であるが、その状況下であっても、同企業は引き続き特注の修復用クランプの更に高速な製作方法を模索している。

「当社では社内での講習、及び当社のパートナーであるGoEngineer社からの支援双方により、ソフトウェアの面で更に上達するための新たな方法を見いだす努力をしている」と、Thistlethwaiteは付け加える。「特に、より効率の良い形で同様の成果を挙げることのできるスキャンデータの処理方法を検討している」

緊急の修復を更に速く

米国内のTeam社のすべての技術者は今ではLeoを利用できる状態にあり、遠隔地でキャプチャを行い、そのデータを企業のグローバルな活動範囲全域にある施設へ送信するために利用されている。3Dスキャンデータの共有により、通常の一日から二日の修復完了期限を守ることがより容易になっただけでなく、同社における品質検査のために再検討される可能性のあるキャプチャ済みの設計データの記録の構築にも繋がった。

Team Inc.

後に業務で必要になった際に備えた、施設の追加のデータキャプチャに利用されるArtec Leo

また、携帯性による利点もある。Leoは、その特殊なワイヤレス式の一体型構造から世界の何処でもキャプチャに利用することができ、取得されたスキャンデータはWifiを介しての共有が可能である。このほぼ即座に計測データをシェアできる性能により、Team社は製造用ワークフローを加速化し、前例の無い速さで取引先のニーズに応えることができるようになった。

しかし、そのシームレスな多地点でのデータ共有ワークフローに対しては、企業が取引先の貴重な資産を修復する新たな方法を模索する中で、未だに定期的な再検討が行われている。Thistlethwaiteは複雑な形状のジオメトリの3Dスキャニングが既に非常に簡単なものとなった上、Leoの操作は簡単に把握できることが分かったため、Team社でのビジネス全般において、同機器を更なる用途へ新たに適用することも実現可能となっている、と話す。

「当社の技術者は、今回導入したテクノロジーに特に満足している」と、Thistlethwaiteは締めくくる。「3Dスキャナを利用しようと、機器の下へ我も我もと寄り集まっている。皆、その速度、利便性、制度をいたく気に入っているようだ」

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