3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Artec 3Dスキャン、スケッチからCADへの変換ワークフローを数週間から数時間に短縮

課題:元のCADデータが紛失または破損してしまった場合、もしくは単にそのデータをデジタル形式で入手できない場合、元のCADデータを使用せずに既存の製品の設計を構築すること。

ソリューション:Artec Leo、 Artec Space Spider、Artec Studio、Geomagic Design X

結果:サーフェスからの建築とアセンブリに適合する新しい部品の作成に必要なすべての詳細を備えた家具の3Dモデルが得られました。とあるケースでは、リクライニングチェアのリンケージをそれぞれの異なる設定でデジタル化することで、米国の家具の大手企業であるKimball社はサードパーティのメカニズムに差し込める部品を開発することができました。これにより、従来は2週間かかっていたプロセスが、24時間以内に完了するようになりました。

Artec 3Dを選ぶべき理由: ロボットアームに取り付けられた3Dスキャナから、ワイヤレスの万能デバイスであるArtec Leoにアップグレードすると、柔軟性が向上し、リアルタイムでのフィードバックも取得できるため、ユーザーは1度のスキャンで重要な詳細すべてをキャプチャできるようになります。最高の精度を実現するために、Artec Space Spiderでまずデジタル化し、その後Artec StudioでLeoから得たスキャンとそのデータを結合させ、さらにDesign XでそのデータをCADに変換することで、反復処理や3Dプリントも可能になります。

Kimball International

Kimball International社のアレックス・ミルスナ(Alex Mlsna)氏が Artec Leoを使用して3Dスキャンしている様子。画像提供:Kimball International

様々な業界のエンジニアにとって馴染みのある問題で、重大なものがひとつあります。それは、原形のCAD設計データがない場合、どういった方法でリバースエンジニアリングを行えばいいのかという問題です。

これは、3Dモデリング技術がまだ存在しなかった時代の文化遺産などを取り扱う場合に特に問題となります。それらは紙にスケッチされたもので、走り書きされていたり、完全に失われる可能性もあるものです。グローバル化が進み、世界がますます一体化する中で、メーカーは部品生産の多くをアウトソーシングするようになり、その上でシームレスな設計の共有は不可欠になっています。

職場、医療、教育、およびホスピタリティ向けのコントラクト家具を製造するKimball International社は、最近これらの課題に直面し、製品の発売が遅延する恐れがありました。

医療用リクライニングチェアの設計中に、同社はサードパーティが作成したスチール製のリクライニングレバーの組み立て部品に適合できるパーツの作成が必要なことに気が付きました。そのため、同社のチームはそのメカニズムの設計ファイルにアクセスしなければなりませんでした。運よく、サプライヤーは喜んでそれを共有してくれたものの、そのデータは高速反復を行う上で必要となる3D設計データではなく、PDF図面の形式でした。

製品の発売を遅らせずにそのメカニズムを正確にデジタル化するには、それ以上のレベルの精度と速度、柔軟性が必要になります。彼らが当時使用していたデバイスではこのプロジェクトに不十分だったため、彼らは Artec Leoと Artec Space Spiderを使用することにしました。しかし、それらの利用で彼らはすぐに投資収益を得ることができました。

Leoでリードタイムを短縮

Kimball International社が初めて3Dスキャンに取り組んだ際は、コストと時間がかかるマーカーを使用せずに製品をキャプチャすることが目的でした。このため、チームはロボットアームに取り付けられたレーザースキャナを採用することになりました。その際、使用可能なデータは取得できましたが、システムのベースが固定されているためにスキャナの動きが制限された上、プロセスは非常に遅くなってしまいました。

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インディアナ州ジャスパーにあるKimbal社の国際本部。画像提供:Kimball International

Artec Leoという完全にケーブル不要のデバイスが、1秒間に最大3500万データポイントをキャプチャできる能力を持っていることに気づいた時、彼らはすぐにそれまで使用していたデバイスをアップグレードするためにDigitize Designs社に連絡を取りました。

ArtecアンバサダーであるDigitize Designs社がKimball International社のチームに手を貸して以来、彼らはそれまで使用していたデバイスに戻ることはなく、Artec 3D社製品を用いたスキャンで彼らのデジタル化におけるニーズを満たし、アームスキャンを品質管理に移行してきました。速度の向上だけでなく、Leoの高度なトラッキング機能とフィードバックが効率性向上の鍵となり、医療用チェアのキャプチャとモデル化には24時間もかかりませんでした。

「Leoにおいて私達が本当に気に入っている点は、軌道から外れてもオブジェクトのフィーチャーを再認識できる能力です」と、Kimball International社でテクニカルサービスマネージャー担当のアレックス・ミルスナ(Alex Mlsna)氏は語ります。「ワイヤレスなので、移動しながらスキャンしているものをリアルタイムで確認することもできます。IPアドレスにタグ付けすることもできるので、より大きな画面でLeoのディスプレイを見ることができます」

「当初はデモを含む4回のミーティングを行ったので、私達は非常に慎重でした。しかし、Artec Leoを一度目にしてみたところ、市場の主要な競合他社製品3つを簡単に負かしたんです」

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Kimball International社が3Dスキャンした椅子のリクライニングメカニズム。画像提供:Kimball International

米国インディアナ州にあるKimball International社の施設には、他のさまざまな先進技術も豊富であったため、目的がデジタル化から最終部品の3Dプリントに移行するのは時間の問題でした。

これを実現するために、設計チームはできる限り正確にキャプチャされたデータが必要だと認識していました。そういった背景から、彼らはArtec Space Spiderも使用しています。これは、メトロロジーグレードで0.05mmの精度を提供するデバイスであり、これによってさらに詳細で高解像度のデータセットをキャプチャすることができます。また、このスキャナは3Dモデリングや選択的レーザー焼結 (SLS) またはバインダージェット3Dプリントに最適です。

工場のゲージブロックや固定具、そして交換用ツールの3Dプリントから始まったこの取り組みは、すぐにKimball International社の裏方業務の重要な部分になりました。実際、今まで多くのプロトタイプが耐久性と構造テストのために3Dプリントされており、顧客に販売される最終製品の28個以上の部品の作成にも同じ技術が使用されています。

「より高解像度でキャプチャし、微細なディテールを取得できるものが必要だとわかっていたので、Space Spider を手に入れたわけです」とミルスナ氏は説明します。「私達は多くの実際の部品をデジタル化して、それらを修正した後に3Dマシンで製造するので、これは私達にとって便利なツールです。実際、私達が3Dプリントできないものはほとんどありません。少なくとも、私が今まで3Dスキャンしてきたものは3Dプリントが可能でした」

スキャンからCADへの変換

Leoのみを使用したケースでも、Space Spiderを使用してオブジェクトをキャプチャした場合でも、Kimball International社のチームが行うスキャン処理のワークフローは、Artec Studioでワンクリックで実行できるグローバル位置合わせで始まります。両方のデバイスから得たスキャンがある場合、このプロセスによって最高の解像度を持つデータから作成された非常に詳細なメッシュにそれらをマージすることができます。

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Artec Studioに表示されるKimball社製の医療用リクライニングチェア。画像提供:Kimball International

ミルスナ氏は、これらの3Dデータセットを微調整するために、Artec Studioの直感的に使用できる自動モードを以前は使用していたと言います。このモードは、ユーザーに代わって最適なデータ処理のアルゴリズムを選択してくれるものです。このソフトウェアの使用に徐々に慣れてきた彼は、データを手動で処理することが増えてきましたが、クリーンアップはほとんど必要ないため、通常はメッシュをGeomagic Design Xに直接送信するだけだそうです。

この高度なリバースエンジニアリングプログラムの自動サーフェス処理ツールを使用すると、フィーチャーベースの CADモデルを作成し、必要に応じて3Dプリント用のSTLファイルをエクスポートできます。ミルスナ氏は以前にもDesign Xを使用していましたが、Artec 3D社製品を用いたスキャンをこのワークフローに組み込むのがどれほど簡単で、ワークフローを高速化できるかに驚いています。これにより、3Dモデリングの時間を60%も短縮できるのです。

「Artec Studioは、後処理とメッシュをサーフェス処理ツールに適した状態にするのに非常に優れています」とミルスナ氏は言います。「以前は、[エクスポート前に] クリーンアップする必要がありましたが、今はそうではありません。これは Artecの優れた機能のおかげだと思います」

次のトピック: 製造セルのモデリングについて

医療用リクライニングチェアのデザインが開発・製造され、市場に投入された今、Kimball社が行う3Dスキャン主導のデジタル化ワークフローは今後どうなっていくのでしょうか?

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Kimball社の完成した医療用リクライニングチェア。画像提供:Kimball International

同社の製品デジタル化の取り組みは拡大を続けており、リアルな3Dでの表現が今日ではマーケティング資料に取り入れられるようになりましたが、同社は新たな分野への拡大も検討しています。それは、作業セルの設計です。このプロセスは依然として2D CADのレイアウトに依存する傾向があり、これは人間工学の評価にはあまり適していないため、ミルスナ氏はこれが自社にとって新たなチャンスであると考えています。

「私達はまだそこまで手掛けていませんが、今後は成長していく可能性があります。しかし、全体としてArtec 3D社製品を用いたスキャンは出力の面で私たちにとって大きな価値をもたらしています。なぜなら、私たちはもはやデジタル化だけを扱っているわけではないからです」とミルスナ氏は結論付けています。「現在、私達はCADファイルの観点からは存在しないもので、製品エンジニアリングを実際に支援できるようになりました。これこそが真のリバースエンジニアリングというものです」

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