3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

騎手の華麗なる乗馬のために馬の『バディ』を デジタル化

課題:生きていて息をしている馬であるバディにぴったり合った乗馬用器具の個別製作に寸法を利用できるほどの正確さによる、バディのデジタル化。

ソリューション:Artec Leo、及びArtec Studio

結果:牧場の馬の鞍、馬具や馬蹄の個別製作に必須となる馬の特徴をすべてキャプチャした背部、頭部、及び蹄の非常に詳細なスキャンデータ。3Dスキャニングは獣医学的用途にも利用可能であると考えられており、3DMakerWorld社も既に問い合わせを受けている。

なぜ、Artec 3Dなのか:高度なカラートラッキング、及びジオメトリトラッキング機能により、Artec Leoは細かく動きがちな生き物のデジタル化をターゲットも必要とせず可能とする。Artec Studioも、そのHDモードにより暗色を持ち光沢のある毛髪のようなスキャンの困難となるサーフェスのキャプチャを容易にし、本物のような3Dモデルの円滑な製作のためのスキャンデータのメッシュ化を効率化させる。

Horse scanning

馬のバディに乗る、3DMakerWorld社のケビン・スタッキーの義理の息子であるCowboy Coop。画像は、3DMakerWorld社のご厚意で掲載

競馬から地方農業に至るまで、何処を見渡しても馬は我々の共有する歴史、文化、そして農作業における特別な場所を絶え間なく占めている。

我々の輸送に対する馬への依存は自動車技術の発明により緩和されたが、馬の方はその他の形で未だ頼りにされている。これは馬が今でも馬力の大事な源となっている農場のみならず、単にペットとして飼育されている家畜小屋の場合でも同様である。

飼うには高くつくにも拘らず、人々は引き続き普段の生活、及び障害飛越競技や調馬両方において同志としての馬を走らせ、調教し、馬との深い絆を築いている。

実際、馬術競技は未だに非常に普及しているので、その周辺で一つの産業が成り立っており、騎手、そして馬にも同様に衣装や装飾品が販売されている。しかし、その計測の実施は困難を伴う。計測のために人間をじっとさせておくのでさえ十分に難しいが、馬の場合では次元が違うのだ。

低価格の3Dスキャナといった、デジタル計測ツールも試すことはできる。しかし、その多くはターゲットに依存しており(馬に貼り付けようとするとどうなるか、試していただきたい)、そのような機器では息をしている生き物のキャプチャに困難を来たすことが多い。それでは、この現代に合った乗馬用装備を製造するには、どうすれば良いのだろうか。

データキャプチャの幅広い専門知識を持つArtec 3D社のゴールド認定パートナーであり、米国遠隔地の大牧場と個人的に緊密な関係のある3DMakerWorld社によれば、Artec Leoがその答えであるという。

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3DMakerWorld社によるバディのスキャンデータ。詳細な頭部、背部、蹄部分のキャプチャデータを含む。画像は、3DMakerWorld社のご厚意で掲載

Artec Leoで波に『乗る』

3DMakerWorld社が馬のデジタル化へ深くのめり込むきっかけとなったのは、豪華な乗馬器具をより合った形で個別製作する手段を探していた見込み客が同社の下に訪れたことであった。

この器材メーカーに提供できるサービスを紹介するためには、3DMakerWorld社のスキャニングコンサルタントであるケビン・スタッキー(Kevin Stucky)は『概念実証』が必要であった、と話す。時間内に州の端から端へ移動してこの顧客のところへ行く機会はなかったが、データキャプチャ中にフラッシュに驚かない馬は言わずもがな、日常的に馬と接触のある人などいるのだろうか。

幸運にも、スタッキーはそのソリューションを見つけた。判明したのは、彼の義理の息子がバディという名の馬を所有しており、その馬は3Dスキャニングの間もおとなしくしている程に慣れている上、スタッキーのカンサスの事務所から車で行ける距離にいる、ということだった。

3DMakerWorld社は多くの3Dスキャナを販売しているが、今回の場合はArtec Leoが明らかな選択肢であった。この機器の独自のワイヤレスの特性に加え、内蔵バッテリー、ディスプレイ、及びパワフルなプロセッサにより、その配備はただ現場へ車で行き、起動させるだけで完了した。

キャプチャの際には、Leoの広大な作動距離及び視野により、体格が大きく激しく呼吸している馬のデジタル化は格段に簡単になった。更に、HDモードの活用により、スタッキーは ジオメトリ及びカラートラッキングにのみ頼りながら、 体毛で良く見えないディテールを確実に取得することができた。

「バディのデジタル化は、ターゲットや同様のものを使用していたならば実質的に不可能だった」と、スタッキーは説明する。「実のところ、Artec社製テクノロジー全般でも同様だと思うが、ここでLeoが自身の性能を発揮した。マーカーも必要なく、そのトラッキングにはジオメトリとカラーを使用する」

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個別製作に充分なディテールを有する、馬のバディの頭部の3Dメッシュ。画像は、3DMakerWorld社のご厚意で掲載

Artec Studioで『ちょっとした魔法を』

バディが3Dスキャニング中行儀よくしていたことに加え、スタッキーは自身の同僚であるチャッド・ミ―ス(Chad Mees)が重複する部分のあるスキャンデータを組み合わせるためにArtec Studioソフトウェアを利用して『ちょっとした魔法を起こす』必要があった、と話す。これは、特に蹄などの部位周辺で重要であり、そのディテールのキャプチャを最善の形とするため、蹄は持ち上げられた上でスキャンされ、両脚にそれぞれ位置合わせされた。

Artec Studioはその幅広い種類の編集ツールキットにより、データの位置合わせや微調整によってテクスチャのあるメッシュの生成を迅速に完成させた。その品質は完成品を見れば一目瞭然だ。ミーズは当初、前述の見込み客は心配げで、『短い体毛でさえ問題となると考えていた』と話す。

しかし、最終的に完成したモデルは、体表の色の変化から馬のたてがみのほぼ全体に至るまで極めて微小なディテールを多く有していた上、最も重要なことには、ジオメトリは鮮やかにキャプチャされていた。そのため、個別製作された器材をバディに装着するための必要なデータはすべて手元にある、と二人は話している。

将来的なスキャンにおいては自身の工程を改善する余地はまだある、というのが二人の見解だ。Leoのフラッシュをオフにすることで微細な動きは減少すると考えられている上、Artec Studioでの位置合わせを行わずにスキャンを行うと、トラッキングや3Dモデルのキャプチャの質が向上する。

ただ、データ処理の段階でプロジェクトに参加したミーズにとっては、Artec Studioのデフォルトのトラッキング、テクスチャのキャプチャ、及び位置合わせ用アルゴリズムでも極めて優れた成果に充分繋がった。

「ファイルが生成されるまで、キャプチャされた内容を知ることはできなかった。そのため、HDモードは鼻孔の周りのような箇所のキャプチャのために更に細かくデータの隙間を補う柔軟性をもたらし、大変役立った」とミーズは付け加える。「我々が使用したのは特定の箇所だけで、残りは削除した。しかし、Artec Studioにより、そういった要素すべてを繋げていく作業を非常に迅速に、かつ簡単に行うことができた」

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ごく小さな空洞や隙間もすべて含め完成した、バディの上向きに持ち上げられた蹄。画像は、3DMakerWorld社のご厚意で掲載

『馬』鹿騒ぎをしている暇はない

3DMakerWorld社の馬のデジタル化は一見、実験的なお遊びのように見えるかもしれないが、スタッキーは今回の業務は3Dスキャニングが現実的なニーズに対処できる方法を示すものである、と言って譲らない。

鞍のような日常的な装備は馬にとっても心地の悪い、不快な緩みを防ぐために身体にぴったりと合う必要がある。Artec Leoであれば、「馬の骨格にぴったりと合わせることができ」、必要な際には体を支えることができるよう装備を個別製作することが可能となる、とスタッキーは語る。

バディをスキャンして以来、3DMakerWorld社は獣医の関心も集め、現在では同様の方法で乗馬用義肢装具の個別製作を行うこともできる、と二人は考えている。

「このプロジェクトは概念実証として始まったが、後に獣医の興味を引くことに繋がったので、いろいろ考えてみた」と、スタッキーは付け加える。「矯正用装具を個別製作できるとすれば、どうだろう? 蹄の中に薬品を仕込ませることのできるクッションの製作も可能となる。これは、次なるステップとなり得る」

「通常とはかけ離れた事例ではあるが、動く生き物をデジタル化する必要がある方に対し、Artec社の3Dスキャニングの強みを証明することに繋がる」

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