3Dスキャンソルーション

Artec 3D社のウクライナへの支援内容

Curtis Cabs社がArtec Leoによりリバース エンジニアリングの質を向上させた方法とは

課題:産業界を牽引するキャビン筺体の個別製作を行う企業が、納期を守り、市場の需要の増加に対応していくために、リバースエンジニアリングのワークフローを高速化する必要があると感じた。

ソリューション:Artec Leo、及びArtec Studio

結果:同企業の設計及びエンジニアリングチームは、一台の車両のスキャニング速度を四~八時間から一時間以下にまで加速化し、車両一台当たり二、三日掛かっていたスキャンデータ処理の所要時間も、今では一時間以下となる。

なぜ、Artecなのか:邪魔になるケーブルやラップトップコンピューターも不要でスキャン可能であるため、何処へでも素早く持参し、一振りする度に毎秒何百万ものデータポイントをキャプチャすることができる上、Leo後部のタッチスクリーン表示にリアルタイムで現れるスキャンデータを確認することもできる。

Curtis Cabs

画像は、Curtis Cabs社のご厚意で掲載

当初、チームは驚いた。Curtis Industries社の設計技師チームは、自社で購入した新しい3DスキャナであるArtec Leoを使用することにより、単独のプロジェクトにおいて、自身のスキャン・トゥ・CADワークフローから丸三十八時間もの作業時間を削減できるとは、予測もしていなかったのだ。しかし、それは実現したのである。

その後、チームは程なく、各スキャニング作業における何十時間もの節約のみならず、Leoを使用する利点が他にも多数あることに気付いた。

一九六八年以来、このマサチューセッツを拠点とする企業は、特注製作の補修部品市場におけるトラクター用のキャビン筺体、サイド・バイ・サイド・ビークル(UTV)やゴルフカー、除雪・除氷装置などの設計製作における革新的、先導的役割を担っている。

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John Deere社製Gator XUV(クロスオーバーSUV)用キャビン筺体。画像は、Curtis Cabs社のご厚意で掲載

高水準の品質を維持する

Curtis Industries社の製品ラインに関して言うと、『ぴったり合わせる』ことが全てである。同社の設計技術管理者のスティーブ・スミス(Steve Smith)の言葉を借りれば、「当社の特注のキャビンは、あたかも最初から車両と共に製造された自然な拡張部分のように、その車両と整合できるように製造されている」ということである。

『ウェザーシールやブラケット、取り付け穴、ウィンドウやドア一つ一つが例外なく、正しい位置に正しい寸法でピッタリ収まらなくてはいけない』

スミスはこう続ける。「このため、当社のキャビンは運転される方に、この先数年のご使用の間、その取り付け部品により最大限の心地良さと安全性を提供することが可能である。これを実現するには、ウェザーシールやブラケット、取り付け穴、ウィンドウやドア一つ一つが例外なく、正しい位置に正しい寸法でピッタリ収まらなくてはいけない」

Curtis Cabs

Kubota社製の特定用途車のエンジンルームの3Dスキャン。画像は、Curtis Cabs社のご厚意で掲載

全米中で申し分のない評判を得ているCurtis Industries社とその設計工学チームは、常に増加している市場の需要に応えながら、同社自身の厳しい納期をも守るため、最も不可欠なリバースエンジニアリング工程を含めた自身の製品やワークフローを改善するために、できる限りの方法を絶え間なく試みている。

リバースエンジニアリングのワークフロー

同社の筐体設計ワークフローの第一段階では、新たに製造するキャビン筺体の設置先となる車両の特別モデルのリバースエンジニアリングが必要となる。

同社のキャビン筺体と接触する全てのサーフェスとがぴったりと合う、強靭な装着を確実なものとするために、Curtis社の設計技師は対象となる車両の正確な計測を行う必要があり、得られた寸法は工程の次の段階である、筺体のプロトタイプCADモデルの製作で利用される。

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Kubota社製の特定用途車のロールバーの3Dスキャン。画像は、Curtis Cabs社のご厚意で掲載

このことを実現するためには、技師は以前、巻き尺やキャリパー、下げ振りやアーム形の三次元測定機(CMM)などの一連のツールを使用していた。

CMMからArtec Leoへ

アーム形の三次元測定機では、その精査により適切な寸法が得られるものの、この機器は一回の計測に付き四回の位置変更を必要とすることは言うまでもなく、アームの工程の遅さ、重い取り付け板、そして届く範囲に限界がある点から、各々の作業を長引かせ、面倒なものとしてしまう。

一般的なCMM計測には四~八時間必要だが、それは序章に過ぎない。そのCMMスキャンデータに処理を行い、Curtis社の設計技師が利用できるようになるまでには、二、三日か、それ以上の時間が掛かる。

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Kubota社製の特定用途車のエンジン部分の3Dスキャン。画像は、Curtis Cabs社のご厚意で掲載

自身のチームのワークフローにおいて、この部分こそがチームにとっての障害となっていることを把握し、スミスはより有効なソリューションを探し始めた。調査の中で、スミスは3Dスキャニングのことを知り、数時間後にはArtec社アンバサダーのDigitize Designs社のボー・ヘルムリッヒ(Bo Helmrich)に連絡を取った。ヘルムリッヒはスミスのチームの抱える問題点を補うであろう、プロフェッショナル用3DスキャナのArtec Leoを紹介した。

必要なのは一回のスキャンだけ

『百聞は一見に如かず』であるため、ヘルムリッヒは猛吹雪の中、車で長距離を走り、マサチューセッツの施設でスミスと彼の技師に出会った。そこで、Leoの性能を実演するため、大きなトラクターのスキャンを行った。

スミスとチームは、ヘルムリッヒが車両を容易に素早く、邪魔になるケーブルやラップトップコンピューターも無い状態で、一振りする度に数百万のデータポイントを取得しながらキャプチャする様子を見て喜んだ。

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Kubota社製の特定用途車の上部のロールバーの3Dスキャン。画像は、Curtis Cabs社のご厚意で掲載

スミスとチームは、Leoが内蔵タッチスクリーンに車両のスキャンデータをリアルタイムで表示することにより、すべての必要なジオメトリとフィーチャをキャプチャしたことを瞬時に実証する過程を目の当たりにした。

数分後にスキャンデータをCADへエクスポート

数分経った後、ヘルムリッヒはArtec Studioソフトウェアからのスキャンデータを直接、Geomagic for SOLIDWORKSプラグインを介してSOLIDWORKSへエクスポートすることが、如何に簡単であるかを実演した。 車両のサーフェスのスキャンデータがエクスポートされると、そのデータは平面や円筒、その他の参照フィーチャが追加されることにより、円滑にCADモデルへと変貌を遂げた。

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John Deere社製Gator XUV用キャビン筺体の内装パネルとロールバー。画像はCurtis Cabs社のご厚意で掲載

『これは、当社の設計から製作の過程におけるワークフローにおいての大きな躍進である』

「我々は、LeoがCMMを使用した当社の以前の方法と比べ、すべてのものを如何に速く、面倒な作業も生じさせずにスキャンできるか、という点で驚いた。我々はスキャンされた車両のデータの周りで製品を開発していくため、このことは我々にとって、当社の設計から製作の過程におけるワークフローにおいての大きな躍進である」と、スミスは語る。

Curtis Industries社は躊躇することなく、その日のうちにLeoを購入することを決めた。

CMMに対するLeoの真価を問う

この購入決定後に、Leoが自身のスキャン・トゥ・CAD工程に既にもたらした多大な変化を定量化するため、 スミスと彼のチームは、自身のCMMを中心とした従来の手法へ戻り、新たにキャビン筺体を設計するために車両をスキャンする工程の各過程の所要時間を計った。

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Curtis Cabs社製Bobcat CT20特製キャビン筺体。画像はCurtis Cabs社のご厚意で掲載

その後、Leoを同じ車種の同じワークフローに利用し、同様に所要時間を計った。その差は、控えめに言ったとしても驚くべきものであった。

スキャニング速度: CMMによる手法では計測に四~八時間掛かっていた工程は、今ならLeoを使用すれば一時間以下で完了する。

サーフェスデータの豊富さ: 一握りのフィーチャを計測するアーム型CMMと違い、Leoはスキャン予定のすべてのサーフェス、くぼんだ形状のフィーチャや不規則な形をした車両もキャプチャできるため、スミスらの新しい製品設計の際に、このジオメトリの豊富さを正確な参照モデルとしてCADで使用することも可能となる。

スキャンデータの処理: CMMによるスキャンデータ処理では二、三日以上掛かっていた所要時間が、Leoでは車両一台当たり一時間以下まで激減した。

将来性のある相乗効果:携帯性と使い易さ

スミスとチームは、Leoの使い易さと、設計チームへの新規参入者に使用方法を教えることも簡単な、その習得のしやすさを歓迎した。Leoの携帯性に関しては言うまでもない。

『Leoなら、必要が生じればいつでも、対象車両のある場所へ持ち運んだり、車で移送したりすることも簡単だ』

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Curtis Cabs社製Bobcat CT20キャビン筺体の後部からの様子。画像は、Curtis Cabs社のご厚意で掲載

スキャン時に車両の方を近くに移動させないといけない、重く取り扱いにくいCMMと比べた上で、スミスはこう語る。「Leoなら、必要が生じればいつでも、対象車両のある場所へ持ち運んだり、車で移送したりすることも簡単だ」

数カ月、数年先を見据え、熱心なLeoのユーザーであるスミスとチームは、車両のパーツやトラクターの付属品などのリバースエンジニアリングも含めた、企業全体での更に多くの用途にLeoを従事させることを楽しみにしている。

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