クランクシャフト
一見、この見た目がシンプルなクランクシャフトは、ほとんどの3Dスキャナでそこまでスキャンが難航するようには見えません。しかしよく調べてみると、最高級のスキャナでさえつまずいてしまうような、多くの落とし穴がそこにはあります。クランクシャフトは、内燃機関の回転する「バックボーン」です。ということは、回転シャフトがピストンに結合されているパーツは常に摩擦によって研磨されていることになります。また、メインのジャーナル軸受の表面にはかなり光沢があります。さらに、そこにはオイル通路のように非常に複雑な領域もいくつかあります。シャフトの本体に沿った複数の小さな穴がそうです。
カムシャフトの取り付け金具(先がとがった部分)をご覧になれば、カムシャフトドライブスプロケットの歯車とクランクノーズの周りの細い線を正確にキャプチャするには、より高レベルのディテールが必要になることがお分かりになるはずです。
このような状況では、2つの異なるスキャナの機能をシームレスに統合することで、こういったタスクが大幅に簡単になります。そこでArtecの3Dソリューション一式が提供する柔軟性を追及すべく、2台の非常に強力なハンドヘルドスキャナにおけるそれぞれの長所が着目されました。結合された生データから非常に正確なモデルを作成するために、Artec Space Spiderの非常に高い解像度と、Artec Leoの広い撮影範囲と高速スキャンが利用されたのです。
Artec Leoは最大80フレーム/秒の3D再構成速度を持つため、このスキャナは現在市場で最速のプロ仕様ハンドヘルド3Dスキャナの1つになっています。わずか数回スキャナをかざすだけで、Leoは驚異的にクリーンなこのオブジェクトの表面のスキャンを生成することができました。そこには、オイル通路のような、スキャナがとらえにくい部分も含まれていました。
カムシャフトの取り付け金具の方は、Artec Space Spiderの0.05mmの精度と0.1mmの解像度のおかげで、パーツのキャプチャは簡単に済みました。ドライブスプロケットのすぐ隣の領域には、いくらか光沢のある領域がありましたが、この構造化光3Dスキャナはそれがまるで光沢のない領域であったかのように、いとも簡単にスキャンすることができました。
ライセンス
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クランクシャフト 出典 Artec 3D